私たちがワンちゃんネコちゃんそしてご家族のためにできること

先進医療(随時更新中)

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メスを入れずに「通す」処置~ステント設置術の活用~

呼吸が苦しそうなワンちゃん、結石でおしっこが出なくなったネコちゃん。
私たちはこのような症状に対しても、
安全で身体への負担が少ない治療法を求め続けてきました。

当院では手術での治療に加え、外科処置の1つとして、
人間の医療で使われている、ステントをいち早く導入しています。

ステントはメスによる切開を最小限にして、短時間で治療することができます。
身体への負担が少なく、再発の防止や臓器の機能低下を防ぐ効果が期待できる、
最先端の治療法です。

ステント設置術

  • 人工チューブ(ステント)を体内の管に設置して狭くなった場所を広げます
    狭くなった部分を広げ、元の状態に戻す治療に使われているのがステントです。メスによる切開を最小限に抑えるので、短時間での治療が可能になり、身体への負担も少なくてすみます。
  • 呼吸器や泌尿器をはじめさまざまな場所・症状で有効活用できます
    気管虚脱(※)、尿管結石をはじめ、がんの影響を受けて狭くなった尿道や消化管にも有効です。大きな手術の必要もなく、従来に近い機能を取り戻すことができます。特に手術のリスクが高い、高齢の場合に有効です。
  • 拒絶反応が比較的少なく、耐久性に優れた素材なので、長期間の使用が可能です
    ステントは人工的に作られた管なので、半永久的に使用することができます。また再発や合併症のリスク、生体反応も少ない安全な治療法です。

※気管虚脱…先天的もしくは高齢が原因で空気の通り道である気管がつぶれ、呼吸ができなくなるワンちゃんに多い病気です。小型犬や鼻の低い短頭種に多いことで知られていますが、重症の場合は呼吸不全となり死に至ることもあります。

症例1  尿管結石

12才のメスのネコちゃんの場合

【どのような症状?】

食欲不振で元気がないとのことで来院。各種検査から、片側の尿管に結石が認められ、本来なら腎臓から膀胱へ流れる尿が、結石により塞ぎ止められていました。

【治療方法は?】

尿管結石がある腎臓の急速な機能低下が予見されました。できる限り早く腎臓から膀胱へ尿の流れを確保するために、尿管内にステントを設置しました。

【その後の経過は?】

ステント設置後は食欲が回復して元気になり、日常の生活を取り戻すことができました。

設置直後のX線写真

腎臓から膀胱への尿管内に設置されたステントです。膀胱内にループ状のステントの端が見えます。

症例2  気管虚脱

14才のオスのワンちゃんの場合

【どのような症状?】

咳が止まらず、呼吸が苦しそうなので来院。レントゲン検査から気管虚脱と診断しました。

【治療方法は?】

胸の中の気管が虚脱していたため、外科手術による矯正は合併症のリスクが高いと判断し、ステントの設置を行いました。

【その後の経過は?】

ステント設置後に呼吸が楽になり、徐々に咳の回数が改善されました。

施術前の写真では赤い円の部分の気管が狭くなっています。施術後の写真のようにステントが気管を押し広げるので、呼吸が楽になります。